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亡くなった親の医療費はどちらで控除?準確定申告と相続税の使い分け【2026年】 | ブログ
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亡くなった親の医療費はどちらで控除?準確定申告と相続税の使い分け【2026年】

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ご家族が亡くなると、入院していた病院から後日まとまった請求が届くことがあります。「この医療費は親の確定申告で控除するのか、それとも相続税で差し引くのか」——奈良の当事務所でも、相続のご相談の中でよくいただくご質問です。

結論からお伝えすると、亡くなった方の医療費は支払った時期と支払った人によって、準確定申告の医療費控除・相続税の債務控除・相続人自身の医療費控除のどれに当たるかが変わります。この記事では、2026年現在の制度をもとに、ケース別の使い分けと手続きの注意点を税理士の視点から整理します。

結論:支払いが「亡くなる前か後か」でまず分かれる

  • 亡くなる日までに本人(または本人のお金)で支払った医療費 → 準確定申告の医療費控除
  • 亡くなった後に相続人が支払った医療費(未払いの入院費など) → 準確定申告では控除できず、相続税の債務控除の対象
  • 生計を同じくするご家族が生前に支払っていた医療費 → 支払ったご家族自身の確定申告で医療費控除できる場合があります

準確定申告とは、亡くなった方のその年1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わって行う確定申告です。期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月以内とされています。制度の全体像は準確定申告とは?期限は4ヶ月の記事をご覧ください。

ケース別の取り扱い

ケース1: 生前に本人の口座から支払っていた

死亡日までに本人が支払った医療費は、準確定申告の医療費控除の対象です。控除額の計算は通常の医療費控除と同じで、支払った医療費から保険金などで補填される金額を差し引き、さらに10万円(死亡日までの総所得金額等が200万円未満の場合はその5%)を超える部分が控除されます。高額療養費として戻る分は差し引く点にご注意ください。

たとえば、死亡日までに本人が支払った医療費が40万円、高額療養費や保険金で補填された額が10万円、死亡日までの総所得金額等が200万円以上だった場合、40万円−10万円−10万円=20万円が準確定申告の医療費控除額になります。年金から所得税が源泉徴収されていた方なら、この控除によって還付が生じることが多く、申告する価値のあるケースです。

なお、準確定申告そのものが不要な方もいます。公的年金等の収入が400万円以下で、その他の所得が20万円以下だった場合などです。この場合でも、医療費控除による還付を受けたいときは申告書を提出できます。

ケース2: 亡くなった後に相続人が病院へ支払った

死亡後に支払った入院費・治療費は、たとえ故人の預金から支払ったとしても準確定申告の医療費控除には入れられません。その代わり、亡くなった時点で残っていた未払いの医療費は故人の債務として、相続税の計算で債務控除できます。相続税の申告をする場合は、病院の請求書・領収書を相続税の資料として保管しておきましょう。

ケース3: 同居の子が医療費を立て替えていた

故人と生計を一にしていたご家族(同居の子など)が生前の医療費を支払っていた場合は、その支払った方自身の確定申告で医療費控除の対象にできるとされています。親の分とご自身の分を合算できるため、還付につながるケースが少なくありません。どの整理が有利かは、所得の状況によって変わります。

支払いの状況準確定申告の医療費控除相続税の債務控除相続人自身の医療費控除
生前に本人が支払い対象対象外対象外
死亡後に相続人が支払い対象外対象生計一なら対象になり得る
生前に生計一の家族が支払い対象外対象外対象

手続きで迷いやすい3つの注意点

注意点1: 同じ医療費の「二重控除」はできない

死亡後に生計一の相続人が支払った医療費は、相続税の債務控除と相続人自身の医療費控除の両方が論点になりますが、同じ医療費を準確定申告の医療費控除に重ねて使うことはできません。どの控除で整理するかは全体の税額を見て判断する必要があります。

注意点2: 還付金は相続財産になる

準確定申告で医療費控除を適用して所得税が還付される場合、その還付金は相続財産として相続税の課税対象に含まれます。一方、納めた所得税は債務控除の対象です。還付だから申告しなくてよい、とはならない点にご注意ください。なお、申告義務がない方の還付申告は、期限の4か月を過ぎても5年間は行えるとされています。期限に遅れた場合の加算税については準確定申告の期限が過ぎたらの記事で解説しています。

注意点3: 死亡診断書の費用は医療費控除の対象外

死亡診断書の発行費用は治療のための費用ではないため、医療費控除の対象にならないとされています(相続税では葬式費用として扱える場合があります)。医療費控除の対象範囲そのものは医療費控除で税金が戻る記事で整理しています。

必要書類は、準確定申告書と付表(相続人が2人以上の場合)、医療費控除の明細書、生命保険や社会保険の資料などです。明細書は故人宛ての医療費通知(医療費のお知らせ)で記載を省略できる場合があります。付表には相続人全員の氏名・マイナンバー・相続分などを記載するため、遺産分割の話し合いと並行して早めに情報を集めておくと、4か月の期限に余裕をもって間に合わせられます。

相続人が2人以上いる場合は、原則として全員の連署で1通の申告書を提出します。各自が別々に申告する方法も認められていますが、その場合は他の相続人に申告内容を通知する必要があるとされています。遠方にお住まいのごきょうだいがいるときは、書類のやり取りの段取りも含めて早めに動くことが大切です。

判断に迷ったら、相続に強い税理士へ

医療費の整理は、準確定申告・相続税申告・相続人ご自身の確定申告の3つにまたがる横断的な論点です。どこに載せるかで世帯全体の税負担が変わることもあり、期限(準確定申告4か月・相続税申告10か月)も同時に進んでいきます。

横山千夏税理士事務所は、奈良県の相続税申告・生前対策を専門分野とし、女性税理士と女性スタッフが中心となってデリケートなご事情にも寄り添います。遠方のご相続人を交えた打ち合わせにはオンライン相談をご利用いただけるほか、近鉄奈良駅からすぐの事務所での来所相談も可能です。亡くなられた後の手続きに不安のある方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 準確定申告は全員に必要ですか?

A. 公的年金等の収入が400万円以下で他の所得が20万円以下の場合など、申告が不要とされるケースもあります。ただし医療費控除などで還付が見込まれる場合は、申告することで取り戻せる税金があります。

Q. 死亡後に支払った医療費を、同居していた私の医療費控除に入れられますか?

A. 治療を受けた時点で生計を一にしていた場合は、支払ったご自身の医療費控除の対象になり得るとされています。債務控除との重複整理が必要なため、個別にご確認ください。

Q. 入院時の差額ベッド代やおむつ代は対象になりますか?

A. 本人や家族の都合による差額ベッド代は原則対象外、治療上必要とされた場合は対象になり得ます。おむつ代は医師の証明があれば対象とされています。判断が分かれやすい費目です。

Q. 相続税の申告をしない場合、未払いの医療費はどうなりますか?

A. 遺産総額が基礎控除以下で相続税の申告自体が不要なら、債務控除を使う場面はありません。生計一の相続人が支払ったのであれば、その方の医療費控除の検討だけが残ります。

まとめ

亡くなった親の医療費は、「いつ・誰が支払ったか」で準確定申告・相続税・相続人自身の申告のどれに載せるかが決まります。2026年現在の取り扱いを前提に、請求書と領収書を支払日ごとに分けて保管し、期限内に整理することが出発点です。税制改正により変更される可能性がありますので、最新の取り扱いは国税庁の情報や当事務所へのご相談でご確認ください。

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