
相続税の税務調査はいつ来る?対象になりやすい5つのケース【2026年】
相続税の税務調査はいつ来る?対象になりやすい5つのケース【2026年】
「相続税の申告は済ませたけれど、税務調査が来ないか不安」「どんな家庭が調査の対象になるのか知りたい」——奈良で相続のご相談をお受けしていると、申告後もこうした不安の声をよくお聞きします。
相続税の税務調査は、所得税などに比べて「調査が入った場合に指摘を受ける割合」が高いことで知られています。国税庁が公表した令和6事務年度の資料によると、相続税の実地調査は全国で約9,500件行われ、そのうち8割超で申告漏れなどの誤りが指摘され、追徴税額は1件あたり平均800万円台とされています。この記事では、調査が行われる時期、対象になりやすい5つのケース、当日の流れ、そして調査を穏やかに乗り切るための備えを、実務の目線で解説します。
相続税の税務調査とは|実地調査と簡易な接触
相続税の税務調査には、大きく2つの形があります。
| 種類 | 内容 | 件数の規模(令和6事務年度) |
|---|---|---|
| 実地調査 | 調査官が自宅などを訪問し、通帳や資料を確認する | 全国で約9,500件 |
| 簡易な接触 | 文書や電話、税務署への来署依頼で申告内容を確認する | 全国で約2.2万件 |
近年は、訪問を伴わない簡易な接触が大幅に増えているとされています。「お尋ね」文書が届いた段階で適切に対応すれば、実地調査に進まずに済むことも多いため、書類が届いても慌てず、まず内容を確認することが大切です。
調査が来る時期の傾向
実地調査は、申告書を提出してから1〜2年後に行われることが多く、税務署の事務年度の関係で秋(8月〜11月頃)に集中する傾向があるとされています。申告から2年ほど何もなければ、調査の可能性は下がっていくと考えられます。
対象になりやすい5つのケース
税務署は、申告書と金融機関などから集めた情報を突き合わせたうえで、調査先を選んでいるとされています。実務上、対象になりやすいのは次のようなケースです。
- 無申告の疑いがある
- 不動産や保険金の情報から「申告が必要なのに出ていない」と見られている場合です。基礎控除を超えるかどうかの判断は相続税はいくらからかかる?基礎控除の仕組みと奈良で課税される目安をご覧ください
- 預貯金・現金など金融資産の割合が多い
- 不動産と違い、預貯金や現金は動きが追いやすく、申告漏れも見つかりやすい財産です
- 名義預金や亡くなる直前の大口出金がある
- 配偶者や子・孫名義の口座に実質的に被相続人のお金が入っていた、というのが典型的な指摘です。判断基準は名義預金は相続税の対象?税務調査で見られる3つの基準と対策【2026年】で詳しく解説しています
- 生前の収入に対して申告財産が少ない
- 長年の収入や退職金の規模から見て「財産が少なすぎる」と、使途を確認されます
- 海外資産や多額の借入がある
- 海外送金の記録や、財産構成の不自然さは重点的に確認されるとされています
実地調査の当日はどう進む?
実地調査は通常、事前に税務署から日程調整の連絡があり、自宅で午前10時頃から夕方まで、1〜2日かけて行われることが多いとされています。午前中は、被相続人の職歴・趣味・生活ぶりといった雑談のような質問が中心ですが、これは財産形成の背景やお金の管理者を把握するための大切な確認です。午後は通帳・印鑑・保険証券などの現物確認が行われます。印鑑は朱肉をつけずに押して使用の有無を確かめるなど、細かな確認が行われることもあります。当日に備えて、被相続人と相続人の通帳類は一か所にまとめておくとやり取りが円滑です。
回答に迷う質問には、あいまいに答えず「確認してから回答します」と伝えて問題ありません。税理士が立ち会う場合は、事前に想定問答を整理し、当日も専門家として調査官とのやり取りを支えます。
指摘を受けた場合のペナルティ
調査で申告漏れが確定すると、本税に加えて加算税・延滞税がかかります。2026年現在の主な加算税は次のとおりとされています。
| 加算税の種類 | 課される場面 | 税率の目安 |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 |


