
相続税はいくらからかかる?基礎控除の仕組みと奈良で課税される目安
相続税はいくらからかかる?基礎控除の仕組みと奈良で課税される目安
ご家族が亡くなり相続が起きると、「うちにも相続税はかかるのだろうか」と心配になる方は多いものです。先に結論を申し上げると、相続税は遺産のすべてにかかるわけではなく、基礎控除という一定の枠を超えた部分にだけかかります。実際、相続が起きても相続税の申告が必要になるのは、全体の1割ほどといわれています。とはいえ、土地の評価額が高い場合や、生命保険金などを含めると、思いがけず基礎控除を超えていたというケースもあります。
私たち横山千夏税理士事務所では、奈良のご家庭から「自分の場合はどうなのか」というご相談を数多くいただいております。この記事では、相続税がいくらからかかるのか、その目安となる基礎控除の計算を中心に、2025年現在の制度に沿ってやさしくご説明いたします。
結論|相続人が1人なら3,600万円から
相続税がかかるかどうかの最初の関門が、基礎控除です。遺産の総額がこの基礎控除以下であれば、相続税はかからず、申告も原則として必要ありません。
基礎控除の計算式と人数別の早見
2025年現在、基礎控除額は次の式で計算するとされています(国税庁)。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
法定相続人が1人増えるごとに600万円ずつ枠が広がる、とイメージすると分かりやすいでしょう。人数別の目安は次のとおりです。
- 相続人1人:3,600万円
- 相続人2人:4,200万円
- 相続人3人:4,800万円
- 相続人4人:5,400万円
たとえば遺産の総額が4,000万円で、相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、基礎控除4,800万円のほうが大きいため、相続税はかからない計算になります。
法定相続人の数え方に注意
基礎控除の計算では、誰を法定相続人として数えるかが重要です。たとえば、相続放棄をした人がいても、基礎控除の計算上は 放棄がなかったものとして人数に含めます。一方、養子は、実の子がいる場合は1人まで、いない場合は2人までしか人数に含められません。また、遺言で財産を受け取るだけの、法定相続人ではない人(受遺者)は人数に数えません。数え方を誤ると、基礎控除額そのものを間違えてしまうため注意が必要です。
遺産の総額には何を含める?
基礎控除と比べる「遺産の総額」には、預貯金や土地・建物などのプラスの財産だけでなく、生命保険金や死亡退職金といったみなし相続財産も含めて考えます(それぞれ後述の非課税枠があります)。一方、借入金などの債務や葬式費用は差し引くことができます。たとえばプラスの財産が5,000万円あっても、借入金が2,000万円あれば差し引き3,000万円となり、相続人が1人の場合の基礎控除3,600万円を下回るため、相続税はかからないという見方になります。
基礎控除を超えても税額が下がるケース
遺産が基礎控除を超えていても、各種の控除や特例を使うことで、相続税が大きく下がったり、結果的にかからなくなったりすることがあります。
配偶者の税額軽減
配偶者が相続する場合、実際に取得した遺産のうち 1億6,000万円、または法定相続分のいずれか多い金額 までは相続税がかからないとされています(国税庁 No.4158)。ただし、この軽減を受けるには相続税の申告が必要です。なお、配偶者が多く相続すると、その配偶者が次に亡くなったとき(二次相続)の負担が増えることもあるため、先々まで見据えた検討が大切です。
小規模宅地等の特例・生命保険金の非課税枠
自宅の土地は、要件を満たせば評価額を最大80%減らせる小規模宅地等の特例が使える場合があります。くわしくは小規模宅地等の特例の記事をご覧ください。また、死亡保険金や死亡退職金には 500万円 × 法定相続人の数 までの非課税枠があります。これらを差し引いた結果、課税の対象が基礎控除以下になることもあります。
生前贈与加算(2024年の改正に注意)
亡くなる前の一定期間に受けた贈与は、相続財産に加えて相続税を計算します。これを生前贈与加算といいます。2024年(令和6年)1月以降の贈与から、その対象期間が従来の 3年から7年へと段階的に延長 されています。延長された4〜7年目の贈与については、合計100万円までを差し引くことができるとされています。生前贈与そのものの申告については、奈良で贈与税申告が必要かもあわせてご参照ください。
基礎控除を超えた場合の税率の目安
基礎控除を超えた部分(課税遺産総額)には、金額に応じて10%から55%までの超過累進税率がかかります。実際には、課税遺産総額をいったん法定相続分で分けて税額を計算し、合算してから各人の取得割合で割り振るという手順を踏むため、計算は少し複雑です。おおよその金額を知りたい場合は、相続税の早見表や、税理士による試算をご利用ください。


